放射線過敏症
以下の質問に、Yes / No で答えてください。
①プルトニウムは化学的にも猛毒であり、200グラムあれば全人類を死滅できる？
②いわゆる全面核戦争に突入した場合、地球規模の放射能汚染によって人類は滅亡する？
これは、「あなたの放射線認識度は？」に紹介されている設問からピックアップしたものですが、いかがですか。
僕は見事に2問とも外しました。詳細な解説は、実際に見てみてもらったほうが良いと思いますが、
1998年までの53年間に大気圏内で行われた541回の核実験で大気中に放出されたプルトニウムは合計約3トンと計算されている。
とか、
冷戦の最中には東西両陣営が保有する核弾頭は50,000発を数え、その破壊力は合計で13,000メガトンに達していた。これはそれまでに行われた核実験のトータルの約30倍に相当する。いま仮にそのすべてが数日の間に大気圏内で炸裂した状況を想定する。全面核戦争、それも最悪のケースということになる。その場合、爆死せずに生き残った人が死の灰から受ける線量は地球全体の平均で３０ｍSvと計算される。
など、とても分かりやすく冷静に解説されています。
全体の主張としては、過去に核拡散防止のために政治的に、放射線の危険性が誇張されていたこと、その結果として多くの人々が「放射能」と聞くだけで過剰反応してしまっていることを指摘しています。
被爆国として、核廃絶を世界に訴えていくことはもちろん大事ですが、拒否反応を示すのではなく正確な知識を持つことが重要です。なぜなら、あるときは核拡散防止のために核の脅威を誇張していた国が、手のひらを返すように、小型核兵器なら最小限の限定的な被害で済む、などと宣伝することが充分に考えられるからです。
ちなみに、放射線過敏症という言葉は、「放射線と聞くだけで拒否反応を示してしまうこと」を表しているのだと思いますが、医学的にも「放射線過敏症」という病気があります（コケイン症候群など）のでご注意を。
あなたの放射線認識度は？（埼玉医科大学：田中淳司教授）
http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wajima/sub030112kabinshou.htmコケイン症候群(Cockayne症候群)
http://tmnh.jp/nped/guide/q871.html
