天動説と地動説

「太陽は地球の周りを回っている」…小学生の4割(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040412i306.htm
国民の科学技術離れ、ここ5年で進む…内閣府調査(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040410i415.htm

上の記事では天文現象に対する子供たちの理解の乏しさが浮き彫りとなった、としていますが、問題は下の記事とも共通する、もっと根源的なところにあるように思います。
私は高校時代の寮生活で、寮長のおじいちゃんが地動説どころか地球が丸いということさえ信じていない、ということにびっくりした覚えがあります。そこで、私も理系の学生を自認していたので、なんとか理解してもらおうと様々な説明を試みました。そして気づいたのは、自分が客観的事実だと思っていることのほとんど全てが、教科書や人からの伝聞的知識でしかないということ、そしてそれをいくら他の人に伝えても信じてはもらえないということでした。
「太陽が地球の周りを回っている」という考え方が間違っていることをちゃんと理解するのは、とても難しいことです。小学生が容易に理解できることではありません。正解した4割の子供も、地動説が正しいことを教えられた、というだけです。
私たちの周りを見渡してみれば、科学の最先端の領域では常識だと信じ込んでいたことが思いっきり覆ることが日常茶飯事です。それこそが科学の面白さなのだということを体感させてあげる事のほうが、子供にとってずっと大事なことだと思います。