統合失調症の薬が脳卒中のリスクに

Lilly Warns of Zyprexa Risks for Elderly Patients ( Reuters )
http://www.reuters.com/locales/newsArticle.jsp?type=healthNews&locale=en_US&storyID=4405175

Elli Lilly社のZyprezaは統合失調症の薬として認可されているが、痴呆症患者の行動異常を抑えるために「オフラベル」で投与されていることが多い。Johnson & Johonson社のRisperdalも同様である。
しかし今回、Elli Lilly社は、痴呆高齢者を対象とした5つの臨床試験の結果、Zyprezaの投与が死亡・脳卒中のリスクを高めることを報告した。Zyprexaを投与された高齢者の3.5%が、何らかの理由により死亡した。これはプラセボを投与された高齢者の死亡率1.5%に比べて有意に高かった。
「オフラベル」はアメリカでは合法であるため、Elli Lilly社は全米の医師宛に情報提供の通知を出し、痴呆症患者への投与を中止するように伝えた。Zyprexaの2003年売上高は43億ドルで同社の利益の半分を占める。

多くの精神病薬はオフラベルの需要が大きいので損失が大きいにも関わらず、リスク回避のためにすばやく対応したのは評価できます。ZyprexaだけでなくRisperdalも昨年、高齢者における脳卒中のリスクが報告されているので、化合物由来ではなく、作用機序に由来する可能性が高い。