脳への遺伝子治療

 アルツハイマー病患者の脳に蓄積するアミロイドベータ蛋白質を分解するネプリライシンという酵素がある。この酵素を、脳内にアミロイドベータ蛋白質を大量に発現しているトランスジェニックマウスにウィルスを用いて導入したところ、蓄積が半分に減少した。
 半分しか減ってないのか、と思う人もいるかもしれないが、人工的にアミロイドベータ蛋白質を大量に発現させたにもかかわらず、その半分を分解したというのはすごい。アルツハイマー病患者ではアミロイドベータ蛋白質の発現量は2倍にも増えていないと考えられているので、患者脳ではほとんど分解できる可能性がある。
 それよりも、トランスジェニックマウスで脳内アミロイドベータ蛋白質が半減したことで、行動異常や神経細胞死がどれだけ抑制できるのかの方がずっと興味深い。
 ところで、発表ってどこで?日本の学会かな。論文になってから記事にすればよいのに。

アルツハイマー病、遺伝子治療で抑制(読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news_i/20040130so13.htm