若いってことはいいことだ?

Enhanced synaptic plasticity in newly generated granule cells of the adult hippocampus
CHRISTOPH SCHMIDT-HIEBER, et al. Nature:429, 184-187, 13 May, 2004

成体の海馬で新生された顆粒神経細胞は、成熟した顆粒神経細胞に比べて、associative LTPが誘導されやすくなっており、記憶形成において重要な役割を果たしている可能性がある、という話。
神経細胞の新生が海馬と嗅球で活発に行われていることがこれまでに明らかになってきましたが、「数千個の神経細胞が毎日新生されている」と言われると、あらためて凄いなあ、と感じます。
新生される神経細胞の数は、周囲の環境や運動の内容に影響されると言われています。つまり、周囲の環境に脳を刺激するような玩具がたくさんあると、神経細胞の新生も活発になる、といったところでしょうか。
ということは逆に、過剰なストレスやアルツハイマー病のような脳疾患では、脳内の環境が悪化することで、神経細胞の新生が抑えられていることも考えられます。
このような神経細胞の新生に関わる要素をコントロールすることが出来れば(おそらく栄養因子の類だとは思うのですが)、高齢になっても脳活動をより長く活発に保てるようになるのかもしれません。