プロジェリア

フジテレビの特番を見た。1年前の放送で、初めてプロジェリアという病気を知ったのですが、その続編です。
早老症には、プロジェリア症候群以外にも、ウェルナー症候群、ハンチントン・ギルフォード症候群、コケイン症候群、毛細血管拡張性アタキシア症などがあるそうです。ウェルナー症候群は患者数が多く(特に日本人に多い)、ハンチントン・ギルフォード症候群は世界で約100名、プロジェリア症候群は世界で約30名です。
番組の中で、最近、プロジェリア症候群の原因遺伝子が同定されたことが報道されていました。昨年5月にNatureで報告されていて、核膜の裏打ち蛋白であるLamin Aの点突然変異が見つかっています。

Recurrent de novo point mutations in lamin A cause Hutchinson-Gilford progeria syndrome.(Nature. 2003 May 15;423:293-298)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=12714972
A progeroid syndrome in mice is caused by defects in A-type lamins.(Nature. 2003 May 15;423:298-301)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=12748643

番組の中で、アシュリー・ヘギさん(12歳)のボーイフレンドで同じくプロジェリア患者の少年(15歳)が紹介されていました。アシュリーさんの本当の苦しみは、やはり同じ患者の方でないと分からないということなのでしょうか。必死で前向きに生きていく二人の姿に胸を打たれました。
そして番組の最後に、少年が亡くなったとのテロップが入っていました。とても残念です。私を含めて生命科学に携わる人たちの日々の研究が、少しでもこのような不治の病の治療法解明につながれば良いのですが。
今回の番組は、科学的な話について丁寧に解説しつつも、実際の人々の生きる姿にフォーカスしており、真面目に番組を作っている感じが伝わってきました。

サイエンスミステリー「それは運命か奇跡か!?DNAが解き明かす人間の真実と愛」
http://www.fujitv.co.jp/dna/index_dna2.html